変わりゆく自然界

子どもの頃よく見かけた、虫や小動物も少なくなった気がします。
今年の夏は例年に比べ、とても過ごしやすいと思う。全国的に雨や曇りが多いのも理由のひとつかもしれないが、さほど暑さが辛くないのは事実であろう。棚経で外回りをしながらふと気づいたのは、セミの鳴き声がとても少ないことである。例年だとアブラゼミやクマゼミがにぎやかに鳴いているはずだが、今年はその鳴き声をあまり耳にしないし、姿もあまり見かけない。ちょうど関西圏へ棚経に行った時、公園の小さな木に「これでもか!」と言うくらい、クマゼミが沢山とまっていた。いつもなら見慣れた光景だが、福山ではそういった姿を目にしないのである。あるお宅でお経をあげていると、ツクツクボウシが庭先で鳴き始めた。ツクツクボウシと言えば、セミの季節の終わりを告げる種類と言われ、これが本当なら、いささか自然界にも変化が表れているようである。この夏は、雨がぜんぜん降らずに水不足が心配されたと思えば、今度は雨が降りすぎて被害をもたらしたり、長梅雨の日照不足で野菜の値が高騰したり、早々と台風が接近したりと、いつもと少し様子が違うようである。多くの方も薄々感じているとは思うが、急激に地球環境が変わりつつあるのではないだろうか… 我々は住み良い便利な生活環境を求めるがゆえに、自然界との共生を忘れている気がする。ミツバチがよい例だが、生態系の変化は人類にも多大な影響を与えるものである。“気づいたときにはもう遅い”ではなく、気づいたらすぐ行動出来るよう、我々も変わっていかなくてはならない。