小さな輝き

偶然、目の前に舞い降りてきました。
少し前の話になるが、法事のお膳の席で蛍の話になった。当寺のすぐ下にも小川が流れており、昔は蛍がたくさん飛んでいたという。今でも福山には蛍の群生地があり、あまり知られていないが、ある場所でも蛍が出ると教えて頂いた。先日も「そろそろ蛍が見ごろですよ。」と、わざわざ電話をかけてきて下さった。そんなこともあり日曜日の夜、教えていただいた場所に家族で蛍を見に出かけてみた。道中は車も少なく、心地よい夜風を受けながらのドライブとなった。山間の目的地が近づくと、空気も美味しく、少し肌寒くなってきた。街中との気温差が結構あるようで少し驚いた。前方に車が数台停まっており人が歩いていたので、我々も車を停めてライトを消してみた。すると少し離れた川べりに、無数の小さな輝きが揺らめいているではないか。実に幻想的な光景である。今まで福山に住んでいるが、こんな場所で蛍と出会えるとは思いもしなかった。車から降りて、しばし散歩をしながら“蛍の癒し”を充分に受けることが出来た。また、自分が子どもの頃、父親が蛍を貰ってきてくれたことも思い出すことが出来た。
精一杯に我が身を輝かせ、命を燃やし尽くしてしまう蛍。だからこそその輝きは美しく、心を打つのであろう…