暑さ寒さも…

お塔婆供養で、ご先祖様に感謝の気持ちを捧げます。沢山の参詣者と共に団扇太鼓を叩いて、お題目をお唱えします。
すっかり春らしくなり、桜の花も咲き始めた。昔から「暑さ寒さも彼岸まで。」とはよく言ったものだが、暖かな一日となった春分の日、当山「春季彼岸会大法要」が勤修された。いつも沢山の方がお参り下さり、有り難いと感じる。ちょうど学校が休みの息子も法要に出仕した。いつも思う、「法要に参加してくださる檀家は、善行が廻り廻って自分に還ってくるだろう」と。子や孫を伴って寺に参詣し、手を合わせることを身をもって示し、命の貴さ、生きる上で大切なことを無言で伝えているのだ…
話は変わるが、彼岸会の準備をしている時、改修工事で入ってもらっている職人さんに「今日は何かあるのですか?」と尋ねられた。「春分の日を含め前後3日間を“彼岸”と言い、ご先祖様を供養し、仏道修行にはげむ日本古来からの伝統行事ですよ。」と、お話した。今まで知らなかったようなので、彼岸の説明が書いてある施本もお渡しした。
若い時分は、あまり“命”について考える機会は少ないと感じる。今の自分は、父母・祖父母・曾祖父母… 一人欠けても存在はあり得ない。その1人1人の命の上に“生かされて”いるのだ。自分の先代であるご先祖様や、今生きていることへ感謝の念を養い、やがて必ず来る“死”を見つめることが出来れば、自ずと生き方は充実してくるのではないだろうか。
ごく当たり前のことではあるが、多くの人に伝える必要性を感じた。