武道を通じて

予想外に、果敢に攻めていく子もいました。最後に年長児との握手。子どもに囲まれて、先生も嬉しそうでした。
先日、年長児には最後となる「武道教室」が開催された。一年間、子ども達は普段体験することが出来ない“武道”を通じて、多くのことを学んでくれた。毎回、森藤先生と子どもの間で交わされる「夢ノート」。自分達の目標をしっかりと定めていく上では、大きな成果があったようだ。自分で文章を書くことで、文字書きも上達したように思える。さて、最後の「武道教室」では、卒園する子ども達が一人ずつ、自分の意思のもと先生との組手に挑んだ。率先して希望する子もいれば、怖気づく子もいる。1対1で向き合い組手の開始となった。全力で先生に突進していく子。軽くかわされこかされると、さらに向かっていく子、そこで逃げ腰になる子、泣いてしまう子、様々であった。本気で大人にかかっていくことなど、この年齢ではなかなか体験出来ないことであろう。
「武道は、単に体や技を鍛えるものではなく、“心を磨く”ことがその基本である。」と、先生はよく仰られる。組手にしても、技量を競うだけではなく、己が恐怖に打ち勝つ為の心の鍛錬を意味しているのだ。
痛みを体験した子は、“他者の痛みが分かる子”になれる。そして、そこから“優しさ”は生じてくる。卒園する子ども達も「武道教室」を通じ、少なからず他者に対する優しさを身につけてくれたなら、嬉しいものだ…