帰正式

記念すべき還暦に、家族揃って法要を行うことは、素晴らし“善行”だと思います。
日本において“跡継ぎ”といえば、よほどの事がない限り、だいたい長男が継いでいるように思える。我が子に男子が2人いれば、長男が跡を継いで本家となり、次男は分家というふうに。寺檀の関係で見てみると、本家が主にご先祖の供養を行い、分家はそこに参加するという形をとることが多い。
先月、当寺の檀家であるK家の次男さんが、「還暦を向かえるにあたり、当寺の一檀家としてお付き合いをさせて頂きたい。」と、申し出てくださった。当寺では分家の方や未信の方が入信(檀)される時に、『帰正式(きしょうしき)』を行っており、先日その法要を執り行った。当日は息子さん2人を伴い、ご家族全員でお寺にお参り下さった。長男さんはお会いするのが初めてであったが、すでに社会人としてバリバリと仕事をこなされているようであった。次男さんは以前、お参りして下さったこともあり、久しぶりにお顔を拝することが出来た。ご家族揃っての法要では、還暦を迎えられたことへの感謝、また息子さん達への成長の喜びが感じられた。人生の折り返し地点とも言える還暦を向かえ、ご自身の生き方にひとつの方向性を示されることは素晴らしいことだと思う。我が子に面と向かって話をするのは照れくさいものだが、自らの思いや姿を示されたK家には信仰が相続されたはずである。