鬼面仏心

今回は庫裡の玄関からも、鬼を追いはらってもらいました。
「鬼は~外、福は~内!」園児たちが手作りの枡を手に、元気に豆をまいている。立春を前に、日本の伝統文化とも言える「節分豆まき」が全国各地でも開催されたようだ。当園での豆まきには、保育士が顔を隠さない“優しい鬼さん”と、面をかぶった“怖い鬼さん”が登場する。最近では保育士が考案した“福の神”も登場し、子どものみならず職員も喜んでいる。さて、節分豆まきの醍醐味は、怖い鬼さんが登場してからの子ども達の様子である。恐怖のあまり泣き出す子、先生にしがみついて離れない子、果敢に豆を投げつける子… やはり多くの子ども達が、毎回涙を流しているようだ。
鬼は想像上の生き物とされるが、やはり怖い存在でなければならない。地獄の責め苦を行う番人であり、物語でも登場する生きた人間を苦しめる怪物でもあり、目に見えない心の悪とも言えよう。悪いことをしたら鬼が出てくるという意味合いを、子ども達も何となく理解しているようだ。子育てにおいても「鬼面仏心」が、時として必要になることがある。子のことを思うが故に、あえて厳しく接しなければならない場面がそうである。何はともあれ、心の鬼を追い払い、人を思いやれる優しい心を育んで欲しいものである。