ビオトープ


春から夏にかけて、生き物たちの活動が活発になってくる。ことに水辺や緑が沢山ある境内に目を向けてみると、小さな生き物たちが一生懸命生きている姿が目に飛び込んでくる。池では、無数のヤゴがトンボに成虫している。鯉と隔離された外敵の少ない環境でヤゴはすくすくと育ち、トンボになって巣立っている。一度に数匹が羽化している場面は、あまり見ることがない。

大きなシロスジカミキリも挨拶に来てくれた。子どもの頃、イチジク畑でキボシカミキリをよく捕まえた記憶があるが、これだけ大きなカミキリムシとの対面は久しぶりであった。まだ近くに生息していることが分かり、何となく安心した。
小さな生き物が生息できる場所は、次第に失われつつあると感じる。住環境の整備、自然物の排除、環境汚染… 便利な生活の中で、生き物たちの姿が環境の変化をそっと教えてくれている。
地球の恵みは、人間だけのものではないことを心得なくてはならない。