火災現場

つい先日の事である、職員から「近所で黒い煙が上っています。」と内線があり事務所にとんで行くと、数件先のお宅からモクモクと黒煙がのぼっているではないか。すぐ消防署に通報するよう指示を出し、現場に駆けつけた。近所の人達も驚いた様子で家から出てきており、次第に大きくなる火の手に何もできない様子であった。ちょうど私が駆けつけた時に佐川急便の配達員と近所の住人であろう若者がいたので、延焼を防ぐために火の届きそうになっている倉庫のダンボールや木材を移動させ、何でもいいので水を汲んでくるよう周りの人に声掛けをした。案の定、炎は次第に大きくなり倉庫の側面も火が移って燃え始めた。今度は水をかけての消火活動である。何杯か水をかけていると、近所の方や下校途中の高校生も加勢してくれ、消防隊員も駆けつけ何とか延焼を防ぐことができた。ことに女子高生が率先して水をくみ、バケツを渡す姿には大いに感動した。
この度の火災で死者が出ることはなかったが、改めて火事の恐ろしさを感じた。多くの人は何をしていいか分からず立ちすくんでいたが、幸い初期消火活動を実行できる人がいたこと、それを見て協力をしてくれる人が増えたことが非常に良かったと思う。

消防隊員が消火活動を始めて火の勢いが衰えたので現場を離れて園に帰ると、県道は通行止めで見たことないくらい消防車両が駐車しており、警察もあわただしく交通整理に追われているようであった。
この度の火災から学んだことは、発見してからの素早い通報、現場での周りの人への消火活動の呼びかけだったように感じる。当初から協力された佐川急便の配達員と近所の男性、バケツリレーで協力してくれた葦陽高校生や近所の方々には敬意を表したい。これこそ『相互扶助』の顕れだと思う。