遠くにいても

先日、遠方の檀家から電話を頂いた。「1週間後に亡母の年回忌が来るのですが、どうしてもお参りに行くことが出来ないので、そちらでご回向をして下さい」と。菩提寺から遠く離れて暮らしていても、亡くなられた家族のことを思う気持ちはとても尊いものである。このようなご依頼を受けると、何気ない日常でも、その時その瞬間を大切にしなければならないと感じる。
失ってみて、はじめて気付くことは多い。家族、友人、知人、身のまわりの人達… いつ何時別れの瞬間が来るかは分からないが、そう思うことで慈しみの“仏心”は湧いてくるものである。