本葬儀

柔和なお顔をされたその御遺影が、皆に語りかけておられるようでした。
先の京都本山妙覚寺の晋山式の後に、第83世頂岳日選猊下の本葬儀が執り行われた。広島市妙頂寺の先代でもあり、昭和20年の原爆にて寺族や寺を失いながらも、再興を成し遂げたお上人である。また日選猊下の祖父は、博多日蓮聖人銅像の建立に尽力されたお上人の一人で、当寺の26世隆昌院日壽上人も志を同じくした同胞である。当日は日蓮聖人銅像護持教会の佐野日修主管も弔辞を述べられ、故人との思い出話がとても印象に残った。お上人は広島の住職をされていたこともあり、広島県からも多数の御寺院が参列されていた。この度、妙覚寺にお伺いしたのは初めてとなるが、本堂前の庭園をはじめ境内地の隅々まで実に手が行き届いており、本山をしっかりと護ってこられたお上人のお人柄を感じることが出来た。法要の最後の挨拶にて遺弟龍成上人は、父であり、師匠であり、本山貫首である日選猊下への気持ちを述べられ、師父の想いはしっかりと次代に伝わっていると感じることが出来た。本山に晋山されるお上人は、やはりそれなりの徳と経験を積まれ、佛縁を頂いた方でなくては務まらないと思う。永年にわたり本山に給仕されてきたお上人の増圓妙道、さらには今後の妙覚寺の御隆昌を心からお祈り申し上げたい。