遠くにいても

当寺の檀家には、遠方に住まわれている方も複数おられる。年回忌の法要を行いたくても、移動手段のことをはじめ、年齢的なもの・体調等のこともかさなり、ご来寺出来ない場合がある。そんな時は当家に代わってご回向し、ご供養を捧げるのである。過日、とある檀家の年回忌のご回向を行った。本当は来寺したかったようであるが、体調がすぐれないこともあってのご依頼であった。こうしたご依頼をお受けすると、とても心が温かくなる。“自分では出来ないので、せめてお寺でお経をあげて頂きたい。”そのお気持ちは必ずや故人に通じるであろうし、その功徳は自身や家族に還ってくることであろう。亡くなった方に対してご供養を捧げたいというお気持ちは、年月を重ねる毎に自然に薄らいでいくものではあるが、故人を想う、思い出すということは、決して難しいことではないような気がする…
「ありがとう」の声が、聞こえてくるような気がします。