お釈迦さま

“限りある命”について話をしました。
2月15日は“釈尊涅槃会”、お釈迦さまのご命日である。
当園で子ども達が毎朝手を合わせて、お祈りを捧げている“み仏さま”。そんな、み仏さまの事を少しでも知ってもらおうと、本堂で集会を開き涅槃絵涅槃仏地獄絵を前に法話を行った。
3才以上の子ども達60数名に、こう話してみた。「この絵(涅槃絵)を見てください。真中で横になっているのがみ仏さま(お釈迦さま)で、周りにいる神さまやお坊さん、たくさんの動物や虫達までお釈迦さまが亡くなった(死んだ)ことを悲しんでいます。すべての生き物(人や動物、虫、植物等)は、この世に生まれると必ず死を迎えます。生まれてから死ぬまでの間は、限られた時間しかありません。その間、しっかりと周りの人が喜んでくれる“善い行い”をして下さい。」 「また、お爺ちゃんやお婆ちゃん、お家の方が亡くなった時、飼っているペットや昆虫が死んだ時には、手を合わせてお祈りして下さい。幸せな世界に生まれ変わりますようにと。」 子ども達は漠然とではあるが、“死”を理解している様子であった。
怖がりながらも、地獄絵を食い入るように見ていました。
また、地獄絵を見せながら、「悪いことをした人は、閻魔大王さまに言われて地獄に落ちますよ。地獄には赤鬼、青鬼、沢山の怖い生き物がいて、悪いことをした人をここの絵に描いているように懲らしめます。」と。今月始めの“節分”の鬼の印象が効いていて、地獄絵の説得力はかなりあるようだった。
話終わって感じたことは、どの子も地獄絵に関心があったようで、悪いことをすると、痛く苦しい思いをさせられるということを分かっていた。また、生きているものは必ず死を迎えること。人が喜ぶことをすることは大切なことだと理解してくれた様子であった。
短時間ではあったが、江戸時代に描かれた涅槃絵、地獄絵を見せて話をすることで、子ども達の心に生死や善悪を少しは伝えられたと思う。こうした機会は“み仏の子”を育てるために、とても大切なことだと感じた。