寺での修養

10月下旬、先の日記でも紹介したT美容専門学校2年生40名が当寺に集い、“修養”を行った。
先ずは七面堂にて、映像を交えながら当山の紹介をさせて頂きました。
午後1時半、校長先生と担任教諭と共に、大勢の生徒達が歩いて当寺にやって来た。さすが美容専門学校だけあって、生徒たちはとても華やいで雰囲気であった。
早速、七面堂に上がってもらい、これから修養を行う当寺の歴史や取り組みを、写真や映像を交えて説明させて頂いた。どの生徒も、講話を真剣に聞いてくれていた。
庫裡板間の雑巾がけの様子。客間の畳も拭いてくれました。
30分の講話が終わると、次は境内の雑巾がけをすることに。
庫裡、本堂、七面堂それぞれに分かれて、“心を磨く”ための清掃奉仕を行った。
本堂の畳拭きも、黙々とこなしてくれました。本堂の回廊板間も、自主的に拭いてくれました。
雑巾の拭き方を説明すると、畳や板の間を黙々と拭いていく生徒達。嫌な顔ひとつせずに、自分から率先して清掃を進めてくれ気持ちの良い姿であった。
現在の住環境では、畳も徐々に少なくなってきているようである。その拭き方を体験することも、文化の伝承につながるはずである。
初めて叩く団扇太鼓。
30分の清掃奉仕が終わると、今度は法要を体験することに。
日蓮宗に伝わる“団扇太鼓”をそれぞれが持ち、太鼓を叩いての『唱題行』に挑戦してみた。初めて手にする団扇太鼓であったが、上手にリズムをとり、しっかりとお題目を唱えていた。飲み込みが早いのも、若者の特徴と言えよう。
『懺悔文』を拝読し、心身を浄めました。
続いて、自身の罪障消滅を願い、また感謝の気持ちを養うための『懺悔文』の拝読を行った。人は誰しも過ちを犯す生き物であり、その行いを反省することで心身を浄め、そこから他者をいたわる気持ちを養って欲しいと説明する。そこから自分達の境遇にも感謝が出来るよう頑張って欲しいと皆に伝えた。最後に、明年に行われる美容師国家試験の合格を皆で祈り、当寺での修養を無事結ぶことが出来た。
20歳前後の若者が寺院に来て、何かをするという機会は少ないかもしれない。その反面、寺院が若者に対して伝えていかなければならない事は多々あるように思える。いつの世も、若者が次代を担っていくものである。当寺での修養がほんの少しでも何かのヒントになれば、この上なく幸せなことだと思う。
今回このような素晴らしいご縁をくださった、校長先生、T先生には、心から御礼を申し上げたい。