家系

江戸時代から伝わる系図には、当家の歴史が詳しく記されていました。
 過日、関東に住んでおられる檀家の年回忌法要を当寺で執り行った。皆さんご遠方からお揃いになられ、霊位に対し懇ろにご供養を捧げておられた。実に尊いお姿である。こちらの檀家は当寺でも由緒あるお家柄で、福山藩の家老職をご先祖に持つ家系でもある。先のお盆の棚経の折、代々伝わる系図を拝見させて頂いた。「機会があれば、当寺にも歴史資料として記録させて頂きたい。」と話したところご快諾くださり、今回のご法事でわざわざ大切な系図を持参して下さったのである。当寺では、福山藩の家老職や儒学者、また著名な人物も墓所に眠られており、その末裔に限らず、歴史愛好家の方なども時として参拝されている。今を遡ること数百年前、当時の有力な檀家として当寺をしっかり護持して下さり、そのお蔭もあって法脈が途切れることなく今に続いてきている。長い歴史の中では、家督を途絶えさせないほうが難しいことではないかと思う。そんな中、家系が代々続いてきたことは、先祖を敬い、供養と感謝を捧げ、菩提寺を護持し、堅実に生活してこられたからではないだろうか。
今回、お預かりした系図から、当寺とのつながりや今まで知らなかった部分を発見できるような気がしてならない。こうしたことで、当寺を護持して下さった檀家に、少しでもご恩返しが出来れば嬉しいことである。