七夕の七面大明神

役目を終えたものは、時代を超えて元あった場所に還ってくるものなんですね。
昨日は天気も良く、保育園での七夕行事も無事に行うことが出来た。短冊に書かれた子ども達の願いは、きっと天に届くことであろう。
ちょうど七夕行事を前に、FACMのM学芸員から電話を頂く。「お渡ししたい物がありますので、これからお伺いしてもよろしいでしょうか?」と。しばらくすると、何やら掛け軸のようなものを持って来られた。「これを、お返しします。」と手渡された物は、“備後福山法鏡山”の朱印が残る、七面大明神の木版摺りの御本尊であった。「オークションに出ていましたので、落札しました。」とM学芸員。当山の七面大明神像(享保11年開眼)の調査では、各専門機関に色々と手配や調査の立会いをしてくれ、学芸員としての手腕を如何なく発揮してくれた。また学部こそ違えど、同じ大学の後輩と云うこともあり、何かと気遣いをしてくれている。そんなご縁で、今回も御本尊をわざわざ届けてくれたのである。七夕に合わせ七面大明神の御本尊を持って来てくれたM学芸員、“粋”な計らいが彼の人柄を表しているようでもある。
七夕の夜空に輝く天の川、同じく北斗七星を表す七面大明神… 満天に輝く星の数ほど、彼にも幸運が降りそそがれることを願っている。