青春の丸刈り

当寺の前の道路を見ていると、朝夕多くの学生が行き来している。そんな中学生や高校生の通学している姿を見ていると、なんだか懐かしく清々しい気持ちになる。中2になった息子も学校へは自転車通学しているが、朝、友達が誘いに来たり、帰りにはあちこち寄ってみたりと、“青春”を楽しんでいる様子である。青春といえば、私は中学時代丸刈りであった。スポーツ系クラブに所属していたこともあり、髪を伸ばせなかった。毎回頭を丸めるたびに、「次は伸ばしてやる!」と、心の中で叫んでいたものだ。ひと月程遡るが、息子が自分で頭を丸めることがあった。いつもは私がバリカンで刈っていたが、今回は自分ですると言う事もあり、ちょうど私の外出中に丸めていたのだ。帰宅早々その頭を見てみると、腹から笑いが込み上げてきた。3ミリで全体を刈っていたところ、間違えて一部分だけ0.5ミリで刈り込んでしまっていたのだ。涙目で「失敗した…」と息子が言う。あまりにも0.5ミリは短すぎるので、何とか細工をして翌日登校することに… 細工の甲斐虚しく、学校から「きちんと、揃えて下さい。」との連絡があった。その晩、意を決してオール0.5ミリに。途中ふざけて、部分的に残したり、字を入れたりして、親子で楽しい時間を過すことが出来た。出来上がった頭は、ほぼ剃ったような感じになっていたが…
翌日学校に行っても、友人からは何も突っ込まれなかったようであるが、おそらく、あまりの短さに冗談も言えなかったのであろう。
丸刈りは青春のシンボル。その時にしか出来ないことは、多々あるものである。この時期ならではの青春を、さらに謳歌してもらいたいものである。
髪の長さを調節する“ゲタ”を、付け忘れたようです。修行僧のような、さっぱりとした頭になりました。これも青春!