昨日、M総代がご来寺になられた。「今日は大黒さんを勧請して、丸5年になる日です。」と憶えていてくださったのである。思い起こせば5年前の昨日、大荒行の参行を無事成満し、大黒天の秘法を相伝し、当山で帰山報告式を行い、M総代がご寄進下さった石像の大黒天を開眼したまさにその日であった。早いもので、あれから5年が経過していたのである。すぐさま法衣をまとい共に読経を捧げた。空からは眩い陽射が降りそそぎ、まさに法味を喜んでくれているかのような雰囲気であった。M総代も読経が終わると、実に清々しいお顔をされていた。
御年90歳になられるM総代、日々の読経を日課とし、総代としてもその信仰の姿を多くの檀信徒に示されている。大黒天の台座に刻まれたその銘は、100年後200年後も人々の目に映ることであろう。私も5年前の“あの日”を思い起こし、さらに精進しなければと身が引き締まる思いであった。