自宅での葬儀

しっかり信仰に励まれた檀徒でした。安らかにお眠り下さい。
先週の事である、千葉の檀家から電話を頂いた。「母が亡くなりました…」と。
毎年、お盆の棚経ではご自宅にお伺いし、今夏も変わらずお会いしていたので、とても驚いた。早速、法要の準備を整え、千葉のご自宅に出向くことに。
最近の通夜葬儀は、会館や斎場にて執り行うケースがほとんどであるが、この度は、ご家族の意思もありご自宅で執り行うこととなった。夕刻、通夜にお伺いすると、いつもお盆に家族皆で読経を捧げていた仏間に、棺が安置されていた。綺麗な花で飾られた祭壇の前に横たわる故人のお顔を拝し、とても寂しい気持ちになった。「夏にお話をしたばかりなのに…」 通夜の法話では、故人の生前の記憶がよみがえり、思わず涙が溢れてきた。
今回は、ご自宅にて、ご家族を中心とした通夜葬儀を営むことが出来た。遺族のことを考えた場合、設備の整った会館等で法要を行う方が確かに便利かもしれない。そんな中、永年住み慣れたご自宅から、故人をお送りしたいと考えられたご家族の気持ちに、強く胸を打たれた。
通夜葬儀とは、ただ単に形式的なものでなく、故人を霊山へ送る人生最後の重要な儀式であり、故人と遺族の最後の別れの場でもある。
故人の歩まれた人生は、しっかりと家族に伝わっている。そう感じられるお別れの儀式となった。