永代供養

永代供養墓は、しっかりと我々を見据えているようです。
当山では“永代供養”について、よくお問い合わせを頂く。先日も電話での問い合わせを頂いた。「永代供養をして頂けるのですか?」「どれくらいの期間、供養して頂けるのですか?」「永代供養に関しての諸費用は幾らかかりますか?」等々…
“永代供養”とは、自分が亡くなった後に、自分やご先祖を供養してくれる身寄りが誰もいない場合、寺が本人に代わって供養を行うことをさす。その場合、定めがある場合には一定の費用を納めたり、自分が持っている財産を寄進したりして、永代供養にあてることが多いようである。
最近では、自分が亡き後の供養を必要と考えない方もおられるようで、お墓や仏壇を持たれなかったり、葬儀を行わなかったりするケースもあるようだ。勿論、そういった考え方は自由で構わないとは思うが、私からすれば、宗教の没落と一抹の悲しさを感じざるを得ない。
“供養=お金”と考える人が多いようだが、そうではなく、生きているうちに自分の人生を振り返り、感謝と反省を重ね、その生きてきた証を伝え、残された人生を充実させ、死を迎える心構えを学ぶ。それをお手伝いするのが寺(僧侶)であり、その御礼として施すのが供養(布施)だと私は思う。永代供養は亡くなった後の供養だけでなく、生きているうちの自らの供養(信仰)が、最も大切ではないだろうか。