僧風林

夏休みの終盤、岡山の蓮昌寺を会場に中四国教区の『僧風林(そうふうりん)』が開催された。「僧風林」とは、小学生から高校生までの寺や檀家の子どもを対象とした研修会のようなもので、読経や法要練習、写経、行儀作法の習得や仏教の講義、本山への参拝などが行われる“プチ修行”とも言えよう。
さて今回は3泊4日の日程で、当山からは息子と親友F君の参加となった。息子の方は日頃それなりに慣れているが、F君はまったく初めての体験なので、どうなることかと思ったが、しっかり頑張ってくれたようだ。
初日は開林式の法要が行われ、主催者や来賓の挨拶、スタッフ紹介、日程説明、記念写真と続き、早速講義が始まった。私は早々にその場を引き上げ、後は3日後に迎えに行くのを待つだけ…
法要後に、すかさずお茶を飲もうとする二人。頑張ってくれたまえ!教区長を導師に、参加者全員で行われた閉林式の法要。素晴らしい!
そして、あれよあれよと3日間が過ぎてしまった。実に静かな3日間でもあった。
迎えは妻と二人で… 会場へ到着して間もなく、閉林式が始まった。開林式とは変わって、今度は参加者全員出仕での法要が始まる。息子は木鉦を叩いており、その横にF君が座っている。みんなしっかりとお経を読み、背筋も伸ばし、合掌している姿は実にすがすがしいものであった。法要後に修了証を手渡され、それぞれ一言ずつお褒めの言葉を頂いていた。多少の疲れは感じるが、みんなの顔はなんとも言えない良い表情をしていた。
今回、息子やF君を見ながら、若いうちに多少の辛さを体験させることは、とても良いことだと感じた。テレビやゲームのない環境で、年齢の違う参加者同士が打ち解け、互いに協力しながら“試練”を乗り越えていく。まして、一般の方ではめったに体験できない、お寺での寝泊りと修行である。F君にとっては辛かったかもしれないが、「あの時、こんなことをしたなぁ。」といつかきっと思い出してくれることであろう。
みんな、よく頑張った!
当山の小僧さんも、しっかり木鉦を叩いていました。頑張りの証、「修了証」が一人一人に手渡されました。