中学生からの取材

実に、上手な取材でした。夏休みの“想い出”になってくれれば嬉しいです。
先日、H中学校1年生のS君から問い合わせの電話を頂いた。夏休みの課題研究で“福山新聞”というものを作成するらしく、福山城東外堀石垣を当寺に移築した件で取材をさせて頂きたいと。あどけなさは感じるが、実にハキハキとした口調で思わず感心してしまった。本日、取材の日を迎え、自転車で30分はかかるであろう道のりを一人で、予定時間にきちんと訪れてくれた。実に“聡明”と言う言葉が似合う少年で、言葉遣い、態度、表情と、頭の回転の良さをうかがい知ることが出来た。取材では、石垣移築のきっかけや、移築後の変化、当寺の歴史や祀っている仏像のこと等について色々と質問が飛び出した。問いに対する説明をしている時のS君の目はキラキラと輝いており、とても新鮮な気持ちになれた。ことに、文化遺産は一度壊すと元に戻らないこと、大切に保存していくことの必要性をしっかりとお話した。ひとしきり本題も終わったので、今度は境内をご案内させて頂いた。本堂、位牌堂、七面堂、鐘楼堂、参道、井戸、山門、石垣等々… 中学生の男の子が普段見ることは無いであろう境内を、写真を撮りながらゆっくりと歩いた。とても気持ちの良いものである。
当寺の案内が終わったので今度は、平素よく行き来させて頂いている福山自動車時計博物館もご案内させて頂いた。博物館ではクラシックカーに乗り込み、学芸員さんの説明を聞きながら、楽しそうに見学してまわっていた。
今回の取材で、中学生のしっかりとした一面を垣間見ることが出来た。保育園でも中学生の体験学習の受け入れをすることはあるが、見聞を広めることはとても大切だと思う。今回のS君、全て自分ひとりで段取りし、自らの足で現場に訪れ、情報収集し、目的を達成しようとする姿には深く感動を受けた。親御さんの我が子に対する深い愛情に敬意をはらい、年末の「浄心水行」にはS君を是非ご招待したいと思った。