ご先祖様

“命の不思議”を考えるきっかけになれば嬉しいです。にぎやかな“まつり”で、ご先祖様も喜んでくれるはずです。
先週末、保育園では毎年夏の恒例行事となっている“精霊まつり”を行った。浴衣や甚平を着た子ども達が、保護者と一緒に本堂で手を合わせる。小さな手に小さなお数珠、いつ見ても愛らしいものである。献香・献華・献灯にお祈りの言葉、お歌を歌って自分たちのご先祖様に感謝の気持ちを捧げていた…
日常の生活の中で、自分自身の“存在”について考えることが、どれくらいあるだろう。身近な両親、祖父母、曾祖父母、それ以上さかのぼるとなかなか想像がつきにくい存在になるかもしれない。自分の両親を2とし、十代さかのぼること2の10乗、1024人のご先祖様がいる計算になる。この内の一人でも欠ければ自分は存在しなくなるのだ。数の上では理解しやすいかも知れないが、男と女が出会い、結ばれ、子どもが生まれるということは決して単純な話ではない。これこそ“ご縁”であり“運命”であり、“不思議”でもある。代をさかのぼれば、さらに多くのご先祖様がいる計算になるが、それだけ多くのご先祖様が自分の存在に係わっているということを、理解すべきであろう。
数多くのご先祖様の“命”に感謝し、いただいた“命”を大切にする…“精霊まつり”はそんな気持ちを養うまつりでもある。