日本の名園

街中の“オアシス”とも言えるような縮景園でした。
先日、広島を訪れる機会があり、かねてから観覧したいと思っていた「大名園庭展」に立ち寄った。広島県立美術館にて現在開催されている特別展で、縮景園を始め、全国の名園と呼ばれる園庭の図や画、関係する美術工芸品が多数展示されていた。大名たる者の所蔵品は実に豪華絢爛である。また絵画においては、驚くほど緻密な筆遣いで描かれたものが特に目を引いた。どんな絵師がどれだけの日数を費やして仕上げたのであろう… 展示品をひと通り観覧し終わり、今度は実際に園庭を見る為に隣接する縮景園に入園する。今回は縮景園への入園もセットになっており、得をした気分になる。とても手入れの行き届いた素晴らしい庭園である。しかしその裏では、原爆の被害を被ったという悲しい歴史も持つ。
園庭は土、草木、水、石、空気の調和がとれ、鳥や魚の小動物が彩りを添え、まさに癒しの空間となっている。人間が本来落ち着くであろう要素が、幾重にも重なっているのだ。温暖化が叫ばれる現在、自然の摂理を考え直すきっかけを、園庭が教えてくれているような気がした…