兄弟

荒行堂内では、1日に7回の水行にて心身を清めます。住職を始め寺族の皆様、おめでとうございました。
昨日、岡山のM寺にて「帰山式」が執り行われた。このM寺、西身延とも称され、宗祖のご遺骨を奉安している数少ない名刹のひとつでもある。住職が同級生ということもあり、この度ご案内を頂戴した。今回は、弟さんが大荒行に初めて入行され、無事百日の修行を終えて帰ってこられたのである。同行のお上人には知った顔もあり、痩せ細ったその容姿からは修行の辛さが感じられた。
昨日までの暖かさも過ぎさり、風も強く、まさに“寒中”での「帰山式」となった。
式に先立ち、大勢の檀信徒が見守るなか「水行式」が行われる。力強い水行肝文の声と、激しく飛び散る水しぶきに、多くの檀信徒が目を潤ませ手を合わせていた。その後、司会進行のK上人のアナウンスにより、檀信徒が本堂に案内され開式となる。このK上人も同級生で、私とは参行の同行でもある。感動のうちに式は進み、あっという間に住職謝辞となった。H住職のご師父は早くに亡くなられ、現住職は若いうちからお寺の一切を任されたようである。この間、住職のお人柄と、檀信徒のお寺を護ろうとする熱意が、今日のM寺を盛り立てているようである。弟さんも、いったんは一般の会社に就職されていたようだが、数年前に発起し、兄の住職を手伝うようになったらしい。立場は違えど、兄弟で助け合いながらお寺を護っていく… 亡き師父がどれだけ喜んでおられることであろう。
今後も両上人には、ご兄弟で活躍して頂きたいと思う。