秋の彼岸

ご先祖供養や日々の精進が、未来の安泰を与えてくれるのではないでしょうか。
彼岸の中日をむかえ、当山にて彼岸会大法要を勤修した。朝は少し涼しすぎるくらいであったが、お参りには絶好の気候となった。今回も大勢の方が法要に参加され、ご先祖様に塔婆供養を捧げ、共に手を合わせ読経に勤められた。参拝者の中には、生後二ヶ月の赤ちゃんを抱いてお見えになったお母さんもおられ、その姿を見て有り難い気持ちになる。法要後の法話は「大黒天」についてお話をさせて頂いた。
当山の開山・妙了院日達禅尼は「大黒天」を御本尊とし、一寺建立の誓願を立て、この地に實相寺を建立することが出来た。いまから375年前の話である。現在もその大黒天は当山に奉安され、人々の信奉を集めている。私自身も大荒行参行にて大黒相伝をうけて以来、当山の大改修事業も進み、また多くの方との素晴らしきご縁を頂き、各方面にて恩恵を蒙っている。これも大黒様のお蔭だと信じている。さて、本日の法話では「大黒様をお手本として生活を送られることが大切です。」と、お話させて頂いた。真っ黒なお姿は、働いて働いて真っ黒になる。マメに働くとは“魔”を“滅”し、“傍”を“楽”にさせること。一生懸命働けば、俵が示すように足元から幸が溢れ出てくる。背中に背負った“袋”は“不苦労”となって苦労を取り除き、打ち出の小槌は怠け心を打ち払い、「コツコツ」たゆまずに励む尊さを示している…
何事も不平不満をこぼさず、いつも満面笑顔の大黒様のように生きたいものである。