往時の名車

とある晴れた日、福山自動車時計博物館(FACM)館長さんと主任学芸員さんが、往時の名車「昭和33年式ダットサン1000・210型」に乗って当寺に来られた。このダットサン、調べてみると「1958年豪州ラリーにて日本車初のクラス優勝を成し遂げ、同年、台湾での生産、米国輸出が始まり、まさに世界の日産となるきっかけとなったクルマだ」と、あるHPで紹介されていた。今回この“ダットサン”、愛媛の豊島にある「ヴィラ風の音」というリゾート施設に嫁いで行くようである。嫁ぎ先ではお客様を乗せて、各ヴィラにご案内すると言う大役が待っているようだ。FACMの車がレストアされてどこかに嫁いで行く時には必ず、当寺に立ち寄って安全祈願をしてくださる。館長さんを始めスタッフの方も、いままで育てた大事な娘さんを嫁に出す時のような心境なのであろう…
お寺と自動車、一見あまり関係なさそうに思えるが、車の“安全祈願”はごく自然に行われている。「新車であろうと中古車であろうと、オーナーに愛され、運転する時は安全に努め、万が一事故がおきた時には身を守ってくれるように」と、祈りを捧げる。今年で49歳になるダットサン、新天地でも新たなオーナーに愛され、まだまだ活躍して欲しいと思う。
みんなの笑顔に囲まれたダットサン。