自然界の掟

意外に愛らしい顔をしています。
よく晴れたある日、外でカラスの群れがすさまじく鳴いでいた。いつもになく騒がしくしていたので、しばらく様子を見てみると、どうやら一匹のカラスが集中で攻撃されているようであった。その後、静かになったので外に出てみると、なんと、カラスが一匹仰向けになって足をひきつらせて転がっているではないか。慌てて近寄ってみると、息はしているが体は動かない様子で、目だけをしろくろさせていた。すぐさま段ボール箱に布を敷いて、その中に入れて庫裡の中に保護した。しばらくすると次第に体を動かせるようになり、口ばしで私の手をつつくようになった。普段、カラスを間近で見ることはないが、以外に可愛い顔をしているものだ。小学校の時に飼っていた「九官鳥」を思い出させる。
何をしたかは知らないが、集中で攻撃されることを仕出かしてしまったのだろう… 幸い境内に落ちてきたから一命はとり止めたものの、自然に戻るためには“運”も必要であろう。
その後、羽をバタつかせだしたので、箱を開けて外に放してやると、何とか飛びながら、境内地を少しずつ移動していった。翌日も本堂裏で姿を見かけたが、早く完治して何とか生き延びてもらいたいものだ…