葬儀にて思うこと

皆でお経をお唱えして、通夜・葬儀を執り行いました。
過日、檀家の通夜・葬儀を当山本堂にて執り行った。
以前から、葬儀は寺で行いたいと当主からお話を受けていた。式を執行するにあたり、葬祭業者と準備・段取りを打合せし、遺族と共に心をこめてお経を捧げ、ごく自然な形で故人をお送りすることができた。普段、仏事法要を行っている本堂での葬儀に、当家は「お寺で出来て本当によかったです。」と、感謝の意を述べてくださった。
家族が亡くなられると、遺族は悲しみの中、葬儀の準備も進めなくてはならない。ことに何度も経験したことのない葬儀に対し、心労は計り知れないものであろう。そんな時、僧侶が遺族や葬祭業者の間に入って担う役割は非常に大きい。
通夜・葬儀に集まられた遺族、親族に対し、儀式の意味合いや流れを説明し、故人を偲び、皆でお経をお唱えしてお送りするよう誘い、そして“死”を見つめる時間をもって頂く… これも故人が与えて下さった大切な機会である。
お寺は人々の人生を見届けている聖域とも云える。数えきれない人々が足跡を残したその道場で、先亡の霊に導かれ、故人は迷わずに歩みだされたことであろう。
来世の幸福もお祈りしたい。