白い華

あたり一面、白銀の世界に変わりました。境内の木々も、白い華を咲かせているようでした。
空から舞いおりた雪があたり一面を白く包んだ昨夜、境内を家族で歩いてみた。
雪がふる夜の静寂はとても心地よい。これだけ雪が積もったのは何年ぶりだろう。
息子は興奮気味に、雪をかき集めたり、棒で枝の雪を落としたり、雪の上に寝転がったりして楽しんでいる。私と妻も境内の様子を見回りながら歩き、美しい銀世界を堪能する。白い化粧をした本堂や庫裡が外灯に照らされ、とても幻想的な雰囲気をかもし出していた。葉の無い枝には、白い華がこんもりと咲いているようである…
私が子どもの頃は、よく雪が降っていた記憶がある。学校が休校になると、嬉しくして雪遊びをしたものだ。保育園の子ども達も午前中、雪を触ったり、丸めたりして遊んでいた。子ども達にとって雪は、“元気のもと”とも言えよう。
日本の『四季』は、それぞれの季節で我々の心に“潤い”を与えてくれる。
この“潤い”が、我々を癒してくれているのではなかろうか。
地球温暖化が進む今日、未来を担う子ども達にこの美しい『四季』を残すことが出来るだろうか。そっと、冬の精が語りかけているようであった…