秋の参道

ピンク色の小さな花を沢山つけて、可愛らしいですね。イガイガが特徴的な「風船唐綿」です。
山門下の参道を歩くと、ピンク色の小菊が、温かい太陽の陽射しを精一杯花びらに受けながら、咲き誇っていた。あまりの美しさに思わずカメラを取りに帰る。その横には、全身針だらけのハリセンボンを思わせる、風船唐綿(ふうせんとうわた)の実が、秋風に気持ち良さそうに揺られていた。大きく膨れたその実からは、やがて種をつけた綿が飛び出してくる。ホトトギスも花盛りで彩りを添え、南天の実も赤く色づき始めたようだ。参道ではその季節ごとの草花が、訪れる人の目を楽しませてくれている。
そんな植物は、きちんと世話をしていないとそっぽを向いてしまう。我々をまるで試しているかのようだ。水やり、雑草取り、肥料、害虫駆除、剪定等々…きちんと世話が行き届くと、綺麗な花や実をつけて我々を喜ばせてくれる。何やら子育てにも似ているようだ…
植物を世話することを想像しながら、日頃口にする食物のことを考えてみるのもいいだろう。丹精育てた食物は我々を育み、喜ばせてくれている。
やはり“愛情”こそが、人や物を立派に育ててくれる“栄養”となるのであろう。