徳を積む

法要に参加し“徳”を積まれた檀信徒の皆様。
秋分の日、彼岸の中日にあたるこの日、当山では「彼岸会法要」を執り行っている。檀信徒各家のご先祖様、心にかかる諸精霊に塔婆を捧げ供養をかさねるのだ。法要にはいつも大勢の方が参加して下さり、本当に有り難く感じる。
今回、法要後の法話で「歴代上人」のことについてお話させて頂いた。開山以来、現在までに三十数名に及ぶ歴代住職が寺門の繁栄に尽力されている。時には法力をもって霊験を顕し、時には皇家からの庇護を賜り、時には檀林にて子弟の育成に携わり、時には本山に晋山したりと…当山からは優れた僧侶が輩出されているようだ。そんな歴代上人の墓石には「読誦妙経五千部」、「奉漸講妙経三千三百部」、「解説妙経一千五百部」等々の文字が刻まれている。とてつもない数の妙経(お経)を読まれたり、説かれたりしているのだ。妙経「妙法蓮華経」一部六万九千三百八十四文字あり、早口で読んでも4時間程度はかかるので、その数量がどれだけすごいか、想像して頂けることであろう。
檀信徒もお寺にお参りし、共に読経し、亡き御霊にご供養を捧げられる。そんな檀信徒を見ながら、お参りに来られた方は“徳”を積まれていると、つくづく感じる。その徳が“幸せ”の土台となることを、皆さんには気付いてもらいたい。自らの“徳行”こそが、人生を大きく左右するのだから…