鐘楼堂とタワークロック


先般、当山の鐘楼堂にタワークロック(塔時計)が設置された。
このタワークロック、1940年代のドイツ製で、医学博士の三木正己先生がご寄進して下さった。三木先生は大黒町で耳鼻咽喉科医院を営まれておられ、この度、医院の新築工事にて“明治鹿鳴館”の雰囲気を漂わせる外観の病棟と塔時計を建築された。(「ふくやま医師会広報」№168号P66~掲載)
福山自動車時計博物館(FACM)の理事も務めておられ時計とはご縁も深く、今回タワークロックが当山に嫁入りする運びとなった。

さて、時計本体は電動式で、大きな振り子と100kgもある重りが特徴的である。時計の動力となる重りが下がると、モーターが自動で巻き上げる仕組みになっている。本体からは鐘楼堂二階部分の四面の丸窓に設置されたそれぞれの文字盤に動力が伸び、各々長針短針を揃って動かしている。

この文字盤、直径が140cmもあり、近くで見るとかなりの迫力である。時刻を表すローマ数字の下には漢数字と十二干をあしらった二種類の文字盤を準備し、その文字は住職が心を込めてしたためた。また、長針短針には日蓮宗の寺紋である「井桁に橘」の橘をあしらい、文字盤と相まって実に“和”の雰囲気をかもし出している。

今回、ご寄進を賜った三木先生をはじめ、福山自動車時計博物館の能宗館長、時計の設置にお力添え頂いた高橋様、小川様、スタッフの皆さんには、心から御礼申し上げたい。
この先、三木耳鼻咽喉科医院、福山自動車時計博物館のタワークロックと同時に、『實相寺“タワークロック”鐘楼堂』にて“平和の鐘”を打ち鳴らす日も、そう遠くはないはずである。
三木耳鼻咽喉科のタワークロック。自動車時計博物館のタワークロック。