歴代上人の足跡を訪ねて part.2

当山九世、十二世、十六世が教壇に立たれた湧泉寺(旧、本湧寺・松ヶ崎檀林)当山第十二世、本満寺第四十三世・龍雄院日叡上人墓所にて。
先月、かねてから予定していた「京都・寺院巡り」に出かけてきた。
今回の目的は、当山第九世・體玄院日進上人第十六世・三学院日宸上人が入山された湧泉寺(旧、本湧寺・松ヶ崎檀林)と、当山第十二世・龍雄院日叡上人が入山された本満寺(本山)への参拝である。寺歴を調べてみると、九世・日進上人は妙経三千三百部を講じられた僧侶で、学問修行の道場たる松ヶ崎檀林にて多くの僧侶を指導されていたようである。また、十二世・日叡上人は、同じく松ヶ崎檀林にて指導者たる立場を経て、本満寺の第四十三世に就かれた。妙経解説一千五百座を行われた記録も残っている。
湧泉寺では、御住職が留守であったが、同寺で運営されている保育園の園長先生が丁寧に本堂をご案内して下さった。堂内は、かつての檀林たる雰囲気を漂わせる造りとなっていた。家族揃って読経し、歴代上人の増圓妙道をお祈りする。
続いて本満寺へ。来訪の趣旨を伝え、本堂にご案内して頂く。歴代上人の位牌棚には日叡上人の位牌がしっかりと祀られていた。ここでも家族揃って読経し、何とも言えない嬉しさが込み上げてくる。貫主さんは来客中とのことでお会い出来なかったが、その後、歴代上人墓所へお参りさせていただく。何基ものお墓の中に、少し大きめの日叡上人のお墓をすぐに見つける。墓石は風化していたが、刻まれた文字は読む事が出来た。水をたっぷり捧げ、読経。實相寺から京都へ来られた歴代上人の足跡を辿り、不思議な感覚にとらわれる…
当山には様々な運命的な歴史があるようだ。歴代上人にしてもそうだが、藩政に関わった檀越、また、豪商の檀越。その時代時代の實相寺を繁栄に導かれた多くの方々の足跡を辿るのが、私達の使命かもしれない。今後もさらに“實相”を求め、方々に足を伸ばしたいと思う。