県外での葬儀

山門から参道へ…
過日、法務で名古屋を訪れた。檀家のお葬式である。
当山には県外の檀家もおられ、お盆の棚経、年回忌の法要、お葬式等も出来る限りお伺いさせて頂いている。皆さん移動の事を気にされているようだが、遠方だからといって遠慮される事はないと思う。交通手段の発達した現在、余程のことがなければその日のうちには目的地に到着できるものだ。
今回亡くなられた檀家は、生前福山にもよく足を運ばれ、墓参の時にお会いすると、色々とお話をさせて頂いた。また、当山の檀家に同級生もおられ、「同窓会で会うのが楽しみだ」と、おっしゃられていた。
お話をさせて頂くからこそ、その方の人柄や思いが理解出来るし、なにかの時には、ご家族にも客観的にお伝えする事が出来る。これがごく自然な『寺檀の関係』と言えよう。お寺には多くの方が訪ねてこられる。その時その時の会話を“お預かり”するのが私の役目だと思っている。家族にも言ったことのない今の心情、行く末を案じてのこと、もしもの時のこと、残された者へ伝えて欲しいこと等々…
僧侶であるがゆえに、お聞きする話は多いものだ。
今回の葬儀は、きっと故人が私を呼んでくれたのだなと感じた。そんな故人に対して、不安なく旅立てるようにと一心に読経させて頂いた。