春の「お彼岸」

皆さん一心に、お経を読まれます。団扇太鼓を叩いての「唱題」は、迫力があります。
汗ばむ陽気が続いたかと思えば、一転して肌寒い日になったりと、春の訪れはなかなか気まぐれである。
3月21日春分の日、お彼岸中日に当たるこの日は当山の『春季彼岸会』でもある。午前10時からの「法要」には大勢の檀信徒がお参りして下さった。「法要」では参詣者全員でお経を捧げ、“団扇太鼓”を叩いてお題目をお唱えしている。皆さんよくお経を読まれるし、団扇太鼓もしっかり叩いてくださる。菩提寺としては有り難く嬉しいことである。
法要後は「供養のかたち」と題して法話をさせていただいた。今月に入り、組寺のお上人が続いて遷化されたり、檀家が亡くなられたりと気分が少々沈んでいる。人の“生死”は分からぬものとは言え、もう二度とお話をする事が出来ないかと思うと、正直寂しいものである。
『供養』とは、「仏・法・僧の三宝や死者に、供物(くもつ)を供えること。また、その法会(ほうえ)」のことを言う。生きているからこそ出来るのが『供養』とも言えよう。「死しては、ものも言えぬもの…」どうか皆さんが健康で充実した毎日を送られるよう、自分自身が“しっかりと生きている”という実感が持てるよう、そして不安なく最期が迎えられるよう、『限りある時間』を大切にしていただきたい。