裸まつり

中央の赤い物が「御福木」。この後、激しい争奪戦が繰り広げられました。霧のような湯気!この気迫は、実際に見ないと分かりません。
今朝の新聞に、「西大寺会陽(裸祭り)」の記事が載っていた。九千人の参加者と記載されていたが、いやはやその人数には驚きである。たった一本の宝木(しんぎ)を求めて激しい競り合いが行われる「裸祭り」、幸福を求めて参加する人が多いのも、今の世相を反映しているのかもしれない…
ところ変わって三原市・久井稲荷神社でも、同日「はだか祭り」が開催された。西大寺が午前零時に宝木(しんぎ)を投下するのに対し、久井稲荷神社では午後9時の「御福木(おふくぎ)」の投下である。
兼ねてから「裸まつり」という“奇祭”を見たいと思っており、距離と祭りの規模を考慮し、久井稲荷神社に行くことにした。(ちなみに吾宗でも稲荷大明神を勧請していることもあったので…)
夕方からの空手の練習に家族で参加し、その後身支度、夕食を済ませいざ出発。
御福木投下の5分前に何とか到着し、慌てて境内にかけ上る。
そこには色とりどりのフンドシをしめた男達が、今か今かとその瞬間を待っていた。参加者は景気づけに一杯飲んで来たのであろう、辺りに酒の匂いが漂っていた。
午後9時、待ちに待った「御福木」が特設台から投下された。一瞬「うぉ~!」とうなり声が上がり、落下したあたりでは激しいもみあいが始まった。何分か経過するとバケツに汲んだ水がまかれだし、同時に湯気が勢いよく上りだした。更に場所を移動しながらもみあいは続き、目の前に“男の塊”がやってきた時には、妻と息子が飲み込まれそうになった。その後、間もなく「御福木が無い!」と誰かが叫び、もみあっていた男達はあたりを見渡しながら散り散りとなった。「はだか祭り」の終わりである。
そう言えばもみあいの途中、数人の男が“怪我をしたような人”を囲むように塊から抜け出ていたが、もしかするとその人たちが御福木を持っていたのかもしれない。何れにしても詳細は“霧の中”である。
今回の祭りを見て、「見物も面白いが、やはり祭りは参加する方が楽しいだろう」と感じた。
實相寺の“奇祭”、『浄心水行』も、もっと沢山の方が体験出来るよう工夫していかなくてはならない…と思った。