成し遂げる

水行桶にも経文が書かれています。
2月10日、日蓮宗大荒行に入行した修行僧が晴れて成満を迎えた。
それぞれが百日間の功徳を積み、懐かしき自坊に帰られることであろう。
またこの日、息子もひとつの目標を達成する事が出来た。百日間の「水行」である。
私が「水行」を始めたのは20歳で、東京新宿のお寺に小僧として随身していた時のことである。今でこそ懐かしいが、今は亡き当時の御前様(御住職)に、「水行」をさせて頂きたいとお願いしたところ、嬉しそうな顔をされた事を思い出す…以来、現在も続ける事が出来ているのは、「水行」に対して特別な“思い”があるからであろう。
そんな親の姿を見ていたのか、息子が「今回は自分も挑戦したい」と言い出したのが去年の10月末。夏には「度牒」を済ませ、僧侶の卵として自覚が出てきたのかと、驚きと嬉しさが交叉した。よくて3日、長くて1週間と思っていたが、途中くじけることなく成し遂げることが出来た。
嬉しかった。心の底から嬉しかった。
私が20歳で挑戦したことを、息子は10歳で挑戦し、成し遂げた。
“ひとつの事を続けていく難しさ”を身をもって体験したのだ。
今後、この経験がどれだけ自分を勇気づけてくれる事であろう…
親(師匠)としても、息子(弟子)から今回色々と学ばせてもらった。いつの日か自分を超えていくであろうその時まで、私もたゆむことなく精進していこうと心に誓う。
そんな息子に一言送りたい。「よく頑張ったな!」