自然から学ぶこと

淡いピンクが、心を和ませてくれます。燃えるような赤、次の“サイクル”に向けて、しっかりと準備をしているような気がします。
早いもので、もう一月が終わろうとしている。
一月(往ぬる)、二月(逃げる)、三月(去る)」とは、よく云ったものだが、流れていく時間を大切にしたいものだ。
ふと庭先を見ると、美しい色が目に飛び込んできた。
山茶花(サザンカ)の花と南天(ナンテン)の実である。境内のほとんどの植物が春に向けてひっそりと準備をしている冬場に、そっと色を添えてくれるのがサザンカの花とナンテンの実である。あたりを見渡しても、ほかに鮮やかな色を発している植物は見当たらない。サザンカの淡いピンク、ナンテンの燃えるような赤…自然が作り出す色は決して真似が出来ないものだ。
植物が花や実をつけるまでには、それぞれの「過程」があったに違いない。
そして植物は、限られた時間のなかで精一杯自分を表現しているような気がする。
芽吹き、葉をつけ、栄養を吸収しながら成長し、美しい花を開き、実をつけ、そして自分がつけた実を大きく育て種を残す…
植物は一年ごとに、この“サイクル”を繰り返しているが、何百年と生きてきた植物もあるように、「長生きの秘訣」も持っているようだ。
我々も“一生の流れ”を考え、限られた時間を大切にし、時には身近な動植物から、『自然の摂理』を学ぶことがあっても良いのではなかろうか。