故人へのご供養

時代こそ違いますが、お墓にも供養される方の気持ちが残っています。献花が、故人への想いを伝えています。
お寺では葬儀はもとより、年回忌霊位、祥月命日忌霊位、水子霊位、ペットも含め、先亡の霊に対しての『ご供養(法事・仏事)』を執り行っている。
檀家に限らず、新たに“ご縁”を頂いた方からのご依頼もあり、本堂や自宅にて依頼者と共に供養を捧げている。
『ご供養』とは、亡くなられた人に対して、この世に残っている者が、善行(御回向)を捧げ、故人を偲ぶことであろう。
「法事」では、僧侶だけが読経するのではなく、参列された方全員が故人を偲びながら“読経”していただくことが望ましい。当山でも仏事の前には、“ご供養の心がけ、当日のお経のついて”お話しさせていただき、焼香の作法もまじえながら皆に経本をお配りし、心をこめて、わかりやすく「法事」が営めるよう留意している。
そんな「法事」をお申し込みされる時に、ふと感じることがある。
特に、人数と場所についてである。参列される方が少ない時には「少人数でもよろしいでしょうか?」と気にされたり、ご自宅や本堂のみで読経される場合は、「今回は簡単にお願いします。」と言われることがある。「法事」とは、供養をされる方の“気持ちの表れ”で、その気持ちこそが素晴らしいことであり、人数や場所はあまり気にされなくてもよいのではなかろうか…
生きている者に置きかえてみると、「誕生日」や「記念日」等には“お祝いの言葉”をかけてもらうだけでも嬉しいものである。
故人に対しても、人数や場所にこだわらず、「法事」を営むことで、きっと喜んでくださるはずである。
とかく“形式”にとらわれすぎず、“気持ちのこもったご供養”をすることが何よりであろう。