“心と体”の成長

元気で明るいスタッフの方でした。お仕事に情熱を持っておられるようです。最高師範が素晴らしい事を仰っていました。
12月3日に当寺にて、空手古武道・龍真会主催の『演武会』が開催される。
幼児から壮年に至る約80名の門弟が、日頃の練習成果を大衆の面前で披露するのだ。私達親子も「龍真会」に入門させていただいて数年が経つ。その間、息子の頑張る姿に幾度となく感動し、刺激を受けたものだ。これも偏にM最高師範のご指導の賜である。
先日、『演武会』の取材にRCCラジオのスタッフが訪れて下さった。最高師範を当寺に招いてのインタビューである。“お寺”で“空手”をする事に興味を持たれていたようだが、そもそもお寺とは地域の行事や催しごと、大衆が集まる場として昔は広く活用されていたのである。現在では考えにくいかも知れないが、お寺とはそんな“開かれた場所”でなくてはならない。また、会話の中でM師範が「技の習得だけにとらわれず、日常生活においての“心構え”をしっかり培ってもらいたい!」とおっしゃっていた。私も同感である。
「武道」「宗教」も根底には同じ思想があるように思える。
一見、「武道」とは肉体的な鍛錬に重点を置いているように思われがちだが、肉体と精神は表裏一体であり、肉体面だけの鍛錬に偏れば精神面との均衡が保てなくなり進歩は得られない。
「宗教」も精神面を鍛える為に断食や不眠、読経三昧、寒修行等の肉体的な苦行をあえて行う場合がある。
いずれにせよ、“心”“体”は、同時に鍛えなくてはならないものであろう。
その日の夕刻、道場に息子と練習に出かけると、アメリカ人が見学に来られていた。話を聞けば、空手道伝統流派の三段を有する方で、「仕事でこちらに滞在する間だけでも練習させてもらいたい。」との事であった。日本人に限らず、外国人も「武道」を愛し、心身共に鍛錬しようという方は多いようである。
私も「武道」を通じて多くの事を学ばせて頂いている。僧侶と言う立場からも、「宗教」と「武道」の素晴らしい面を組み合わせ、“心と体”の成長に役立てていこうと思う。