神戸での祈り

修復が終わった本堂。いたるところに“大震災の爪あと”が残っているとのことです。着実に復興を遂げる、神戸の街を見渡す。
先程、神戸のG寺の「御会式」法要のお手伝いを終え帰宅する。G寺の御住職は大荒行では我々後輩の訓育指導を熱心にされ、信仰心も厚く、僧侶としても宗門の要職につかれ活躍されているお上人である。
今回は数年ぶりの神戸入りとなり、久々の再会に話もはずむ。今年になって本堂屋根の修復をされたようで、懸命に寺門の整備を進めておられる。聞けば、『阪神淡路大震災』にて本堂の屋根がゆがみ、雨漏り等で痛みがひどくなっていた様子。檀家も被災された方が多く、震災後の復興には並々ならぬ苦労があったようだ。
平成7年1月17日午前5時46分、震度7の大地震が神戸の街を一瞬にして壊滅状態に追い込んでしまった。福山でも震度4を記録し、地震の瞬間とっさに身構えたことを思い出す。多くの悲しみをもたらした大震災も、来年で12年(13回忌)という年月を迎えようとしている。
G寺から見渡す神戸の街は着実に復興を遂げているが、被災された人々の“心のいたみ”をいつまでも忘れてはならない。