寺とボンネットバス

カラフルなカラーもあれば……ベーシックなカラーもあります。
当山にはしばしば、『ボンネットバス』が姿をあらわす。
このレトロな“ボンバス”がお寺とマッチするのは、どこか懐かしく、時代を感じさせる趣を持っているからであろう。幸いにして、大型バスが乗り入れできる石畳の参道もあり、その上を通ると乗客は、“心地よい揺れ”に“興奮”するらしい。
福山自動車時計博物館のN館長様のお計らいで、県外に嫁ぐボンバスの安全祈願や、博物館に来館された方々を観光につれて来て下さり、当山は賑わいをみせている。神辺城城門や福山城東外堀石垣はもとより、深い井戸を覗いたり、鰐口をうったり、鐘楼堂の鐘をついたり、思った以上に皆さん喜んでおられる。
そんな様子を見ながら「今はそういった環境が少なくなったんだな…」と、つくづく思った。
ボンバスは全国的に見てみると、非常に希少価値があるようだ。
新聞や雑誌にも掲載されていたが、9月23日に静岡県掛川市のヤマハリゾート「つま恋」多目的広場に3万5千人を集めて開催された「吉田拓郎&かぐや姫コンサートinつま恋 2006」にも博物館のボンバスが貸し出しされ、さらに皇居や都庁、六本木ヒルズと都内にも出没したらしい。この「つま恋ボンバス」先日、實相寺にもお参り下さった。
古くなったモノを再生するには、思った以上に時間と労力がかかる。だがそこには手がけた人々の“気持ち”が込められている。モノを大切にし、感謝の気持ちを育む…使い捨てから再利用の時代は、とうに訪れているのではないだろうか。
全国を賑わせた“つま恋”ボンバス。当時のカラーを再現したらしいです。鳥取に嫁いだボンバス。TVにも出ていました。