清澄寺にて

遠い昔、日蓮大聖人も拝まれた“ご来光”。多くの“僧侶の卵”が度牒交付を受けました。
先日、千葉県安房郡にある日蓮宗大本山清澄寺にて度牒交付式(どちょうこうふしき)が行われ、親子で出席させていただいた。この度牒交付式とは、得度(とくど)〔仏門に入る為に出家すること〕をした者が、日蓮宗から「度牒」という証をうける式典で、これにより日蓮宗の僧籍に編入されるのである。
今回は主に学生を対象とした度牒交付式で全国各地より70数名の僧侶の卵が相集った。午後からの受付を済ませ、仏前作法の指導、読経テスト、式典予行と続く。夕食後は法話を聞き、日蓮大聖人の映画を見る。ほとんどの者が初めてであろう体験をし、色んな事を学ばせて頂く。慣れない正座も限界に達し、足の痛さと闘いながらモジモジしていたのが印象的であった。
翌朝は4時に起床し、日蓮大聖人が朝日に向かい初めて「南無妙法蓮華経」とお唱えになった“旭が森”に参拝し、ご来光を迎える。5時20分には交付式が始まり、宗務総長より認証書と真新しい白い輪袈裟(わげさ)が一人一人に手渡された。思い起こせば、私も息子と同じ小学四年生の時に度牒交付を受けた。今となって憶えているのは、お経のテストがあった事、大勢の人と一緒の部屋で寝た事、早朝から式典があった事くらいである。
お寺で生活させてもらっている以上、僧侶になる、ならないは別として、朝のお勤めは勿論、人様のお役に立てるよう生活しなくてはならないと思う。我が弟子には、多くの事を学んで“大きな心”を育ててもらい、私自身も弟子の手本となるべく、更に精進しなくてはならないと感じた。