お盆経

皆が集まり、お経を読みます。ご先祖様に、皆で手を合わせます。
関東、特に東京近郊では七月の十三日からお盆が始まる。地方に比べると1ヶ月早い盆入りである。毎年この時期に、お盆経で東京近郊の檀家をお回りしている。年に一度ではあるが、「わざわざ福山から来てくださった」と皆さん喜んで頂き、温かく迎えて下さる。実に有り難いことである。お盆経は各ご家庭、ご家族皆さんで法要をするようにしている。皆でお経を読み、お題目を唱え、ご先祖様にご回向を捧げる。こうしてお盆の法要が終ると、しばし歓談させていただく。お寺の改修工事のこと始まり、近況報告、時勢、各ご家庭での出来事や相談事等々… 遠方にお住まいの檀家は、お墓の事やいざと言うときの事を案じられる方が多い。私は、「お墓がお寺にあれば、絶えず目は行き届くし、毎日お経もあがるのでご安心下さい。もしご不幸があったならば、一番にお寺に連絡して下さい。遺族が故人に何をしてあげたらよいか、またどのような葬儀を執り行いたいかをご相談しながら、急いで駆けつけます。」とお話しする。こうした話も、お会いしなければなかなか出来ないだろうし、年に一度でもお顔を拝すとこちらも安心するものである。
老いたるも若きも、いずれはあの世におもむくのが自然の道理であるが、自分でご先祖様に手を合わせているご家庭は、自身に何かあっても心配は不要であろう。『ご先祖様への追善は、必ず形を変えて自身に返ってくる』はずだから…
今年も皆さんお元気そうで何よりであった。また、来年も元気なお姿を拝したい。