船上からの景色

多くの招待者で、船内は賑わいました。檀家Y様と息子の誕生日も重なりました。
7月4日、想い出に残る一日となった。この日の夕方、ご招待を頂いた瀬戸内クルーズパーティーに家族で出かける。このクルージングは、我が保育園も日頃お世話になっている「福山自動車時計博物館」の開設17周年等を記念し、開館記念日にあたるこの日に特別企画されたものである。午後7時に約250名の招待客を乗せ、福山港を出港する。N館長様のご挨拶に続き、船上での乾杯!何ともいえない爽快感である。フェリーは鞆の浦を遊覧し、ハイライトはJFEスチールのリフト群を海上から眺めるコースであった。日が暮れて次第に暗くなると、オレンジ色に光るライト群があたりを美しく照らしだし、幻想的な雰囲気をかもしだしていた。ふだん見ることが出来ない景色に、招待客も満足の様子であった。
またこの日は、N館長様の誕生日でもあり、船内では花束の贈呈が行われた。何を隠そう、我家の息子もこの日、誕生日を迎え、更に、實相寺に多大なる貢献を頂いている檀家Y様の誕生日も重なった。N館長様と同じように花束をプレゼントして頂き、実に良き想い出となった。本人も照れながらではあるが、嬉しかった様子である。
船内にはヨーロッパから収集された電動オルガンやベルも博物館から出張しており、時代を感じさせる音楽や、心に響く音色を奏でていた。ベルの音を聞きながら、「何百年の時代を越えても、良いものは遺(のこ)されていくのだな」と、感じた。
当寺に移築された神辺城城門や福山城東外堀石垣、水野家下屋敷を改築した本堂なども、時を越えて現在に残されている。これらの文化財とも云える遺産を壊すことは容易いであろうが、後世に伝えていく事は実に難しい。時代に沿った新しいものを取り入れる必要性もでてくるが、一度無くすと再生できない文化遺産は大切に保存すべきではなかろうか。福山にも朝鮮通信使や臨海丸が立ち寄った「鞆の浦」という景勝地がある。何百年と昔から人々の心に刻まれてきた景色を未来に伝えることの重要性を、深く感じさせられるクルージングでもあった。