35年ぶりの来寺

過日、当山の山門をまじまじと眺めながら写真を撮っている方がいたので声をかけさせて頂いた。どこかでお見かけした顔だと思っていたら、広島大学の三浦正幸教授であった。

ちょうど35年前の昭和55年、県の事業として「広島県の近世社寺建築緊急調査」が行われ、広島県教育委員会に7名の専門家が委員として加わり調査が実施された。当時、広島大学助手として参加されていたのが三浦教授である。ご本人は「いや~、35年ぶりの来寺となります。突然お邪魔してすいませんです。」と恐縮されていた。山門については、神辺城ではどのような形状の門であったか、構造的にどこに手が加えられているか等興味深いお話をお聞きすることが出来てよかった。

現在、三浦教授は福山城築城400年記念事業についても色々と助言をされているようで、福山城は全国でも図面の残っている城郭としては珍しく、木造にて復元することも可能であると仰っていた。名古屋城も木造で復元する計画が取りざたされているが、福山城も当時の姿で再現できれば、歴史、文化、観光の面ではプラスになってもマイナスになることはないと思う。これから数百年先を見据えた、威風堂々たる木造建築の福山城再現を期待したい。