山歩き

先日、年長児の子ども達と近くの蔵王山へ山登りに出かけた。年長児も卒園を控え、最後のレクリエーションを楽しみにしていたようである。天候にも恵まれ、前日の寒さが嘘のようにポカポカ日和であった。

こうした行事に参加すると、色んな意味での発見がある。個々の子ども達については勿論のこと、職員の様子や途中の風景の変化、山の状態や登山者の様子等… 特に印象的だったのは、山道の脇にイノシシが土をほじくった跡が無数にあったこと。数人の子どもから「どうやって保育園まで帰るの?」と尋ねられたこと、とても多くの登山者がいたことである。
イノシシがいることは知っていたが、ここまで土をほじくったのを今まで見かけたことがなかったし、民家の近くまでその跡があったことには驚いた。山での生活が次第に難しくなっているのだろうか。
子どもが「どうやって帰るの?」と尋ねてきた時には、子ども達が歩いて移動する機会が少なくなっているのかなと感じた。また現在のコースは数年前のコースよりも短縮しているが、それでも疲れてしまう子どもが増えているのは体力の低下の顕れでもあろう。この年齢だけに、普段から歩く時間を増やさなくてはならないと痛感した。
登山者の多くは中高年で、きちんと山歩き用の格好をしている人が多かった。趣味に、健康に、仲間との交流に、人生を楽しまれている姿は見る者に元気を与えてくれそうである。

園の近くにこのような環境があることは、とても恵まれていると感じる。子ども達にとっては、滑って転んでもいい思い出になるだろうし、自然物に触れることで感性も磨かれることは間違いない。みんなで一緒に食べた手作り弁当の味、途中で拾った松ぼっくりやどんぐり、近くに飛んできたミツバチや蛾も、きっと心に残るはずである。