お供え物


つい先日のことである、ある女性の方がお見えになられた。ご用件をお伺いすると、「お供え物をお願いします。」と、菓子折りとお酒をお預かりした。聞けば、「数年前に水子供養でお世話になりました。」とのこと。今までにも何度か水子地蔵にもお参りされていたようで、わざわざご供養のために県外からお持ち下さったのである。
『亡くなった我が子のことを忘れずに、ご供養を捧げる…』 その思いと行動に深く胸を打たれた。
悲しいことがあるから、笑顔の大切さに気付くことができる。
辛いことがるから、人に優しく接することができる。
人間として、ごく自然な美しい姿であろう。
僧侶として、亡き我が子を思う親の深い愛情という“お布施”を頂き、とても温かな気持ちになれた。 南無妙法蓮華経