逆修法号授与

過日、市外に住まわれている檀家ご夫婦に“逆修法号”をお授けするため、弟子を同行してご自宅にお伺いした。お盆の棚経で逆修法号のことを尋ねられ、今回の授与式に至ったのである。“逆修”とは生きているうちに法号(戒名)を授かることで、仏弟子としての戒律をたもつという意味あいもある。近年では、人が亡くなってから、葬儀式で法号を授かるのが一般的のように思われがちであるが、本来は生きているうちに法号を授かり、自らの生き方を見つめ、また信仰を確固たるものにすべきではないかと感じる。それは僧俗にかかわらず、同じことではないだろうか。私も僧侶を志し、師匠から法号を授かり現在に至るが、やはり自分の法号に似合う生き方をしようと思っている。まさに、“名は体を表す”に通じることでもある。この度、逆修法号を授かったご夫婦も、法号の一文字一文字がその意味を表すように、光り輝く生き方をして頂きたいと願う。健康であろうとそうでなかろうと、心持ち一つで充実した人生は送れるはずだから…
法号がお二人に、“光明”をもたらしてくれることを願っています。