小さな手

先日、年中・年長児の子ども達と蔵王山に山登りに出かけてきた。“山登り”と言っても険しい道を上るのではなく、卒園を控えた年長児の思い出づくりに、毎年行っているレクレーションである。往復4kmの道のりを自分たちで歩き、山道では野山の動植物等を観察し、山頂で手作り弁当とおやつを食べて、帰ってくるというものである。40名近くの子ども達を引率しながら、それぞれの個性や性格を感じながら歩いていると、あっという間の道のりであった。「今どれくらい?」「あと何分で着くん?」「この後どうするん?」お決まりの質問ではあるが、やる気を出させるようにうまく返答をすると、子ども達も頑張って歩いているようであった。可愛いなと感じることは、子ども達のそばを歩いていると、自然に小さな手をさしだして繋いで欲しそうにすることである。しばし忘れていた感覚に、懐かしさを感じながら手をつなぐ。特に娘のいない私からすれば、女の子はなおさら可愛い。
途中、トイレ休憩を済ませ、山道を上って広場に到着し待ちに待ったお弁当を食べる。よく歩いているので、手作り弁当は格別の味であった。子ども達はきちんと正座して食べていた。日頃の積み重ねは自然に表れるものであり、嬉しく感じた。また、子ども達との会話は、何とも愉快であった。
帰り道もあれこれおしゃべりしながら、あっという間に園に到着。お土産に持って帰った大きな松ぼっくりをそれぞれのクラスに渡し、しばし休憩。午睡のない年長児には久々の、そして最後のお昼寝となった。その姿を見ながら、十分な大きさがあった布団も小さくなっていることに気付く。1年の成長は大きいものである。小さな手も次第に大きくなり、やがては我が子の手を繋ぐ日も来るであろう。限られた時間ではあるが、この子達と過ごせた園生活は私にとっても大きな宝である。